真空管ヒートパイプ式 太陽熱温水器

太陽熱温水器の豆辞典

022屋根の上の太陽熱温水器の台風対策

太陽熱温水器は、庭やベランダなどに設置するタイプもありますが、基本的には太陽に近い屋根の上に設置するタイプを利用されている方が多いのではないでしょうか?欧米などと比べ、大きな庭がある家が少ないといった理由からも、日本では屋根に設置するタイプが一般的となっています。

そこで問題となってくるのが、台風などの自然災害時の対策です。台風列島と呼ばれるぐらいに台風が多いこの日本において、屋根の上に機器を設置する場合、どういった対策を取ればよいのでしょう?

今回は屋根の上の太陽熱温水器の台風対策についてご紹介します。

台風シーズンが来る前にやっておくこと

太陽熱温水器の台風対策を行う上で、一番重要なことは台風シーズンがやってくる前にしっかりと点検を行うということです。

【 019 太陽熱温水器のメンテナンスについて 】でも言及しましたが、太陽熱温水器は1年~2年に1回は定期点検を行ってください。そしてその時期は、台風シーズンがやってくる前の6月~7月が良いでしょう(もちろん寒冷地や台風の少ない地域であればこの限りではありません)。

九州、四国地方など例年、台風が多い地域で太陽熱温水器を利用されている場合は、必ずこの時期に定期点検を行ってください。特に集熱部と貯水槽が分離しているタイプを利用している場合、集熱部が強風で飛ばされてしまうことのないよう、ワイヤーなどがしっかりと固定されているかを確認してください。

台風の予報が出たらまず貯水槽を満水に

台風シーズンが来る前に定期点検を行ったら次は、実際に台風の予報が出た時の対処法です。

これは一体型の場合ですが、明日・明後日にも台風がお住まいの地域にやってくるという予報が出たら、すぐに貯水槽内の水を満タンにするようにしてください。
貯水槽が満タンになれば重量は小さいものでも200kg、通常のものであれば300kgを超えますので、それで十分に強風対策になります。逆に水を抜いてしまうと軽量になってしまい、突風に耐えられない危険があります。

また台風によって万が一、断水になってしまった場合でも、飲料や料理以外の生活用水としてその水を利用できます。
それゆえ、台風の予報が出たら必ず貯水槽の水を満タンにするということを忘れないでください。

台風が過ぎた後にも必ず点検を

最後に台風が過ぎた後に行うことです。どんなに事前にしっかりと対策を施していたとしても、場合によっては、大きな被害を受ける可能性はあります。

台風が過ぎた後には固定していたワイヤーやビス、架台などがずれたり外れてしまっていないかの確認を行ってください。そして、もしずれや破損等あった場合は速やかに修理を行います。
台風シーズンには、多い時には毎週のように日本にやってくることもあります。太陽熱温水器を屋根に設置している方は事前、事後の確認を怠らないよう、気をつけてください。

なお、これらの点検、修理は屋根の上での作業となりますので、基本的にはご自分ではやらずに専門の業者に依頼することをおすすめいたします。